コンプライアンス
当社グループでは、マテリアリティに「ガバナンスの強化」を掲げ、コンプライアンスを重要課題の一つと位置づけています。「コンプライアンス基本方針」のもと、グループ各社および全社員が一丸となってコンプライアンス態勢の充実に努めています。
コンプライアンス体制
当社グループでは、コンプライアンスに関わる事項についてグループコンプライアンス・リスク統括部を統括部署としています。グループコンプライアンス・リスク統括部担当役員がコンプライアンスに関する責任者として、コンプライアンスに関する企画立案や浸透状況のモニタリング、コンプライアンスに関するグループ会社支援などを行い、重大な事案については取締役会などに報告しています。
具体的には、全社員の具体的な基本方針である「コンプライアンス基本方針」と、遵守すべき法令や行動を分かりやすく解説した「倫理・行動憲章」を制定し、全社員に内容の周知徹底を図っています。また、全社員の教育として、コンプライアンス研修を継続的に実施するなどコンプライアンスの徹底に努めています。
また、法令違反行為が発生した場合は、実態を調査し再発防止策を講じたうえで、グループコンプライアンス委員会および取締役会に報告しています。
当社グループでは、全社員が高い倫理感を持ち、コンプライアンスに則った行動を行うための指針や、具体的な取組計画である「グループコンプライアンス・プログラム」を取締役会で決定し、その進捗をフォローするとともに、定期的にその有効性を検証しています。また、グループコンプライアンス・プログラムについては、その順守状況を確認し、違反事項を特定しています。2025年度のグループコンプライアンス・プログラムでは、「コンプライアンス意識の醸成、グループ管理態勢の構築」、「不祥事防止態勢の強化」、「顧客保護等管理態勢の強化」、「情報管理態勢の強化」、「AML/CFT態勢の高度化(反社会的勢力との関係遮断を含む)」などへの取組みに注力しています。
社長、取締役、執行役員、部長、関連子会社代表者などが出席する「グループコンプライアンス委員会」を定期的に開催し、グループコンプライアンス・プログラムの進捗状況などのモニタリングや、コンプライアンス違反の疑いのある事案の報告を受け協議し、重要な事案については取締役会に報告しています。
また、当社グループでは、全取締役を含めた役員に向けて、コンプライアンスやマネー・ローンダリングなどのリスクに関するセミナーや勉強会を継続的に開催しています。
腐敗防止に関する取組み
当社グループは、「贈収賄等防止基本方針」のなかで業務の健全性・適切性を維持し、持続可能な社会の発展に貢献するために高い倫理観に基づく公正な取引を推進しています。社会における自由で透明性の高い競争を確保するため、グループコンプライアンス・リスク統括部担当役員を贈収賄等防止に関する責任者とし、贈収賄や腐敗行為を一切禁止することを定め、贈収賄や腐敗行為防止に取り組んでいます。
当社グループは、官民問わず、職務や権限の不正な行使や不作為の請託の意図をもって、不適切な利益(金銭、物品、サービス、接待、親族などの採用などを含む有形・無形の一切の有価物)の提供およびその提供を約束する行為ならびに提供者の便宜を図る目的での不適切な利益の享受およびその提供を請求する行為を一切禁止しています。
また、当社グループでは、「贈収賄等防止基本方針」を全社員に周知し、遵守を徹底すべく勉強会を実施しています。また、内部通報制度を整備し、贈収賄などに関する法令や規程の違反、またその懸念ある行為を発見した場合には、社内窓口、ならびに定められた社外窓口に通報できるようにし、その通報などをもって不利益な扱いを受けることがないようにしています。
こうした取組みにより、2024年度における腐敗行為での懲戒処分、解雇ともにありませんでした。また、罰金・和解のための経費も発生していません。
内部通報制度
当社グループは、「公益通報者保護法」に基づき、当社グループの社会的責任と公共的使命を認識し、法令やルールの厳格な遵守を実践するための職場環境の整備と、「不正」、「法令違反行為」、「社会規範・企業倫理に反する行為」、「贈収賄等」などの未然防止や早期発見ならびに是正を図るため、内部通報窓口を設けています。内部通報窓口は社内窓口だけでなく、外部の弁護士による通報・相談窓口を設置するなど、さまざまな窓口を設置し、グループ内の全社員(出向者、嘱託、派遣社員含む)がコンプライアンスに関する問題を直接通報・相談できる態勢を整えています。
内部通報窓口では通報者保護のため匿名でも受け付け、通報対応業務従事者が厳格な情報管理のもと、通報者が特定されないよう調査を行い、通報者が探索されたり、通報したことを理由にいかなる不利益な扱いを受けることがないよう徹底しています。
通報を受け付けた場合、内容に応じて事実関係の調査を行い、調査結果に応じ必要な是正措置および再発防止策を講じ、被通報者などの信用、名誉およびプライバシーなどに配慮し、必要な範囲内で通報者へフィードバックしています。なお、調査結果は社外窓口として弁護士が関与した場合などは、当該弁護士にも報告することとしています。
また、ポスターの掲示、全社員向けの勉強会の実施などにより、通報者の保護を含め内部通報制度の高度化と周知に努めています。
利益相反管理
当社グループは、「利益相反管理基本方針」に基づき、当社グループとお客さまとの間または当社グループのお客さま相互の間における取引によってお客さまの利益が不当に害されることのないよう適切に管理するため、グループコンプライアンス・リスク統括部を利益相反管理統括部署と定め、グループ全体の利益相反取引について一元管理しています。
「利益相反取引」とは、当社グループとお客さま、またはお客さま相互間で利害が対立する取引、当社グループとお客さま、またはお客さま相互間で相互に競合する利害を有する取引、当社グループがお客さまとの関係を通じて入手した情報を利用して当社グループまたは他のお客さまが行う取引において、お客さまの利益が不当に害される取引をいいます。
個人情報・特定個人情報等の保護に関する取組み
当社グループでは、お客さまの個人情報等ならびに当社グループの業務上の取引に関連して取得するお客さまの個人情報の取扱いについて、適切な保護と利用に関する「個人情報保護宣言」を定め、全社員に周知を図り、個人情報保護に努めています。
また、お客さまの特定個人情報等を適切に取り扱うことが当社グループの社会的責務であると認識し、「特定個人情報等の取扱いに関する基本方針」を定め、公表するとともに、全社員がこれを遵守し、特定個人情報等の保護に努めています。
個人情報等に関する詳細な取組みについては、以下の当社グループホームページをご覧ください。
反社会的勢力との関係遮断
当社グループでは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に毅然として対応し、関係を遮断するため、「反社会的勢力に対する基本方針」を定め、グループ全体としてこれを遵守しています。
基本方針の主管部はグループコンプライアンス・リスク統括部と定め、グループ各社における反社会的勢力との関係の遮断に努めるとともに、取引開始後に相手方が反社会的勢力であることが判明した場合には、基本方針に沿って適切に対応します。
グループ各社の統括部門は警察、弁護士などと連携して反社会的勢力との関係遮断を図っています。
顧客保護への取組み
当社グループでは、お客さま保護を経営上の重要課題と位置づけ、グループ各社のお客さまの利益の保護ならびに利便性向上を図るため、「顧客保護等管理基本方針」に基づき適切な管理を実施しています。
当社グループでは、グループ全体の顧客保護等管理統括部署をグループコンプライアンス・リスク統括部と定め、お客さま保護の重要性についてグループ各社に周知徹底するとともに、グループ各社の取り扱う業務の品質については常に検証のうえ、改善に向けた不断の取組みを行うほか、お客さまの正当な利益の保護や利便性の向上に向けた継続的な取組みを行っています。
グループ全体に影響を及ぼす可能性のある重大な苦情やお客さまの利益の侵害懸念事案は、グループコンプライアンス・リスク統括部がグループ各社から報告・協議を受け、グループ全体として適切に対応します。
あいち銀行での取組み
あいち銀行では、苦情の一元管理を行う統括部署を設け、お客さまからの苦情・相談などを受け付けています。統括部署では、発生した苦情を集約するほか、発生部店などに苦情解決に向けた指示・指導を行っています。苦情の内容や原因および改善策などの対応状況については、コンプライアンス委員会にて報告し、顧客対応の改善に向けて継続的に取り組んでいます。
金融ADR制度への対応
当社グループでは、お客さまからの苦情・相談などに対し、迅速・公平かつ適切な対応を行うべく、銀行法上の指定銀行業務紛争機関である一般社団法人全国銀行協会との間で手続実施基本契約を締結しています。
| 連絡先 | 一般社団法人 全国銀行協会相談室 電話:0570-017109または03-5252-3772 |
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金融犯罪被害防止の取組み
取引モニタリングの強化
あいち銀行では、近年全国的にSNS型投資・ロマンス詐欺などの深刻な被害や、詐欺の被害金に係るマネー・ローンダリングに、実体が不透明な法人口座などが悪用されていることから、取引モニタリングシステムを使用した取引監視を一層強化し、被害の未然防止および早期発見に努めています。
金融犯罪に係る情報提供に関する協定の締結
あいち銀行では、2025年2月に、愛知県警察および名古屋銀行と「金融犯罪に係る情報提供に関する協定」を締結し、金融犯罪の被害拡大防止に向け、連携した取組みを行っています。
マネー・ローンダリング等防止の取組み
当社グループは、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融および経済制裁への対応を国際社会の要請に基づく重要な経営課題と位置づけ、金融システムの健全性維持のために、グループ横断的な管理態勢のもと、「マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止基本方針」を定めています。また、「グループコンプライアンス・プログラム」の取組項目に「AML/CFT態勢の高度化」を設け、グループ横断的にマネー・ローンダリング等の防止に取り組んでいます。
当社グループは、適切なマネー・ローンダリング等防止の実践にあたり、グループコンプライアンス・リスク統括部担当役員をマネー・ローンダリング等防止に関する責任者として選任しています。また、グループコンプライアンス・リスク統括部を管理統括部署とし、グループ各社で発生する重要リスクなどについて一元的に管理しています。
<具体的な取組み>
最新のリスク評価に基づくリスク低減
マネー・ローンダリング等のリスクについて年次で全社的評価を実施し、リスクの調査および分析結果を記載した当社グループの「リスク評価書」を作成して、リスクベース・アプローチに基づく実効的なリスク低減措置および顧客管理措置を実施しています。また、定期的にリスク評価を見直すほか、マネロン・テロ資金供与対策に重大な影響を及ぼし得る新たな事象の発生などに際し、必要に応じて見直しを行っています。
有効性検証
あいち銀行では、犯罪収益移転防止法などの関係法令や、金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」に加え、2025年3月金融庁公表の「マネロン等対策の有効性検証に関する対話のための論点・プラクティスの整理」などに則り、コンプライアンス・プログラムにて「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与の防止と反社会的勢力との関係遮断」を最重点項目として定め、「マネロン・テロ資金供与の防止に係る年間計画」に従い、マネー・ローンダリング等の対策の有効性検証を実施し、リスク管理態勢を強化する取組みを行っています。
全役職員の啓発
マネー・ローンダリング等防止の実効性確保のため、マネー・ローンダリング等対策に関する研修と指導を定期的に開催して、全役職員の理解度を深める取組みを行っています。また、金融犯罪の事例を発信して、全役職員の金融犯罪に対する意識向上と対応能力強化を図っています。
コンプライアンスに関する非財務データ
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項目 | 単位 | あいちFG | ||
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| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||
| お客さま相談センターへの相談件数 | 件 | 185 | 241 | 243 |
| うち、電話相談 | 件 | 65 | 87 | 78 |
| 苦情 | 件 | 151 | 202 | 205 |
| 照会 | 件 | 34 | 39 | 38 |
| 社内通報受付件数(ホットライン) | 件 | 9 | 5 | 4 |
| コンプライアンス研修実施回数※1 | 回 | 42 | 32 | 20 |
| コンプライアンス違反事案発生件数※2 | 件 | 0 | 0 | 1 |
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1億ドルを超える罰金の件数・総額 |
件/百万円 |
0 |
0 |
0 |
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1億ドルを超える和解の件数・総額 |
件/百万円 |
0 |
0 |
0 |
- すべての計数は、2022年度・2023年度・2024年4月~12月が旧愛知銀行+旧中京銀行、2025年1月~3月はあいち銀行の実績です。
- 全行員向け研修のほか、階層別研修を含みます。
- 銀行法53条ならびに銀行法施行規則第35条に基づき当局へ届け出した不祥事件の件数です。