環境保全と気候変動対策
サステナブルに関する投融資
気候変動などの環境課題や地域の社会課題に対応し、社会をより持続可能な形に転換していくために、金融サービスは重要な役割を担っています。当社グループは、地域金融グループとして資金調達を通じて地域社会の持続的な成長と発展を支援しています。
このような考えのもと、当社グループでは、サステナブルに関する投融資を2022年度から2030年度までに累計1兆円(うち環境関連で5,000億円)実行することを目標として設定しています。2026年3月末時点の実績は、4,220億円(達成率42.2%)、環境関連2,356億円(達成率47.1%)となっています。
ポジティブ・インパクト・ファイナンスを活用した資金調達
ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、国際的な金融原則の枠組みに沿った融資商品で、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を包括的に分析・評価(以下、「インパクト評価」)します。インパクト評価により特定されたポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取組みに対して目標(以下、「KPI」)を設定し、モニタリングを実施することで、当該取組みを継続的に支援します。また、KPIの達成に向けて取り組む過程を対外的に発信することで、お客さまの社会的評価の向上が期待されます。
サステナビリティ・リンク・ローン
国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいたSDGsやESGに関連した目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPTs)を設定し、SPTs達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品です。
脱炭素化に向けた目標を貸付条件と連動させることで目標達成への動機付けとなり、お客さまの脱炭素経営の促進に貢献しています。
サステナ経営応援ローン
SDGsやESGに関連する経営目標(所定項目から1項目を選択)を設定し、経営目標達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品です。
経営目標にGHG(温室効果ガス)排出量を設定することにより、お客さまの脱炭素化に向けた取組みの促進に貢献しています。
グリーンローン
環境改善を目的とする事業(グリーンプロジェクト)に資金使途が限定される融資商品です。実行後の資金の追跡管理およびレポーティングによる資金使途の透明性確保を通じて、お客さまの環境に配慮した事業活動を支援します。
サステナブル関連投資の取組み
SDGs債などへの投資
当社グループでは、長期的な視点を持つ投資家として、持続可能な社会の実現に向けて、SDGs債などへの投資を通じた地域社会のサステナビリティをめぐるさまざまな課題の解決に取り組んでいます。
下の図のようなさまざまなSDGsに寄与する金融商品への投資を通じて地域社会の繁栄に貢献しています。
グリーンボンドなどの脱炭素に資する投資
企業や地方自治体などが、環境に配慮した事業(グリーンプロジェクト)に資金を投じるために発行されるグリーンボンドや、脱炭素社会移行(トランジション)のための資金調達を目的として発行されるトランジションボンド、脱炭素社会の実現に向けて企業が設定した目標の達成状況に応じて条件などが変動するサステナビリティ・リンク・ボンドへの投資を通じて、社会の脱炭素化への取組みに貢献しています。
J-クレジット定期預金の取扱い
あいち銀行では、満期時の元本に応じてJ-クレジットによるカーボン・オフセットを付与する預金商品を、中部地方に本店を置く金融機関として初めて取り扱いしました。本商品は、定期預金への預入を通じ、間接的に東海エリアの森林の適正な管理に貢献するとともに、お客さまによる脱炭素への取組み機会を提供します。多くのお客さまにご好評いただき、約1か月で120件・総額109億円の預金をお預入れいただきました。
自治体・事業者との連携
当社グループは地域金融グループとして、地域の脱炭素化を進めるうえで、資金供給や伴走支援などを通じて重要な役割を果たしますが、地域の脱炭素化は一企業や一自治体では達成できない「地域全体で取り組むべき課題」であると認識しています。
地域の脱炭素化の取組みを実効性あるものにしていくために、自治体や他事業者との連携を積極的に行っています。
J-クレジット創出に関する自治体・株式会社バイウィルとの連携
あいち銀行では、自治体およびJ-クレジットの創出を行う株式会社バイウィルと協業し、地域のカーボンクレジットを創出する取組みを進めています。自治体の公共施設のLED化をはじめとするエネルギー対策などで創出される環境価値を株式会社バイウィルがJ-クレジットとして創出し、地域の企業と多くのつながりを持つ当社グループがカーボンオフセットの需要がある企業を紹介することで、J-クレジットの「地産地消」を実現するものです。2026年3月末時点で、8自治体と取組みに関する連携協定を締結しています。
あいち脱炭素経営支援プラットフォームへの参画
愛知県では中小企業などの割合が高く、脱炭素実現には脱炭素経営の支援が不可欠であるとの認識のもと、2023年11月に地域の中小企業などと密接に関わる経済団体・金融機関・行政が一体となり、地域ぐるみで支援する「あいち脱炭素経営支援プラットフォーム」を設立しました。あいち銀行は、本プラットフォームに参画し、情報提供や伴走支援、資金調達・設備導入支援などを通じて、中小企業などの脱炭素経営の実行を後押ししています。
いちのみや未来エネルギー株式会社の設立
あいち銀行は、一宮市、東邦ガス株式会社、アーバンエナジー株式会社と共同で、2023年1月に地産地消型の地域新電力会社「いちのみや未来エネルギー株式会社」を設立しました。同社は、一宮市のごみ焼却施設「環境センター」で生み出される再生可能エネルギー由来の電力を公共施設へ供給し、エネルギーの地産地消と二酸化炭素排出量の削減を推進しています。さらに、小売電気事業の収益を市内の再生可能エネルギー設備の維持・拡大に充て、資金の域内循環により市の課題解決に取り組んでいます。
取引先企業への脱炭素支援
取引先企業への脱炭素支援は、「TCFD・TNFD提言への取組み」をご参照ください。
自然資本・生物多様性に関する取組み
「あいち生物多様性企業認証制度」の認証取得
あいち銀行は、愛知県より「あいち生物多様性認証企業」に認証されました。愛知県では、「あいち生物多様性戦略2030」(2021年2月策定)に基づき、各地域において、企業、大学、環境保全団体、行政などの多様な主体の連携による生物多様性保全に関する取組みを推進しています。企業の生物多様性保全に関する取組みを促進するため、本制度を通じて優れた取組みを実践している企業を愛知県が認証し、取組意欲の醸成と他企業への波及を図り、優良な取組みが県内に広がることを目指しています。
「東山動植物園いのちつなぐ基金」への寄付に対する感謝状贈呈
あいち銀行は、あいぎんSDGs私募債「あすなろ」およびコンサルプラスを通じて、地域のお客さまとともに東山動植物園への寄付を行っています。
東山動植物園の展示施設整備、種の保存・生息地保全、動物福祉の向上、環境教育の充実などの取組みに活用される「東山動植物園いのちつなぐ基金(名古屋市東山動植物園基金)」への寄付総額が2025年9月までに累計1,633万円余となり、「いのちつなぐパートナー制度の最高位であるプラチナパートナー」の認定基準に達したことから、名古屋市より感謝状が贈呈されました。